©︎Satoshi Sigeta/繁田諭写真事務所
世界で2000年を超える構造物は、ギザのピラミッドと万里の長城の2つ。さらに、2500年前と変わらない景色。それは、お釈迦さまの生誕より入滅までの足取りである仏陀の道と呼ばれる、日本より遥か西のインド・ネパールの大地であり、足を赴かせずとも、想像するに容易であろう。仏跡を辿れば、そこは雄大な自然の中に佇む世界である。お釈迦さまは、大自然を背景に生まれ、悟りをひらかれ、説き、目を落とされたに違いない。
当寺から見える景色は、秋保の悠久たる山並みである。この山並みを本堂、開山堂に再現した。デザインを辻󠄀村久信氏に依頼し、村山伸一氏に、杉と檜を用い、元来 木の持つ温もりと色の濃淡で表情をつけ、オリジナルの菱型木製建具同様、伝統技法である立体的な組木細工によって、膨大なる時間と類まれなる技術を持って、後世に残る素晴らしい建具を作成頂いた。まもなく創建500年を迎える当寺が、次の100年を目指した、この度の建設事業の最大の見どころである。