EQUINOX:春彼岸
タイトルの『EQUINOX(イクイノックス)』の語源は、ラテン語で【等しい】を表す『AEQUUS』と【夜】を意味する『NOX』が基になり、【昼夜の長さが同じになる】という意味らしい。
お彼岸は、その他の仏教国では見ることができない日本独自の仏教文化。その意味は、容易に調べることが出来るので、こちらではあえて控えさせて頂きますが、この期間、『私たちから遥か彼方(かなた)の川の向こう岸』である『彼岸』に、美しい花に温かな想いを添えつつ、昼夜の長さが同じように、私たちの心も分け隔てなく平等な気持ち(仏教では『中道』と言います)に、そして、いつも変わらぬ日常より、少し特別な『心ある1週間』を過ごして頂きたいと願うものです。
以前、アメリカの友人に春分の日を英語でどのように表現するかを聞いたところ、『The first day of Spring(春のはじまりの日)』であると耳にした記憶があります。当寺の今年の春のお彼岸のはじまりは、雪が降る中、梅の花が咲き誇り、そのコントラストがとても美しい、『はじまり』の如く、足跡ひとつない白い世界に、一歩を刻むかのようにピンクの彩りが添えられ、これから訪れるであろう自然の声や人々の足音を予感させる一日でした。