SPECIAL THANKS:檀信徒の皆さまへ『御礼にかえて』

SPECIAL THANKS:檀信徒の皆さまへ『御礼にかえて』

令和5年4月23日開催保壽寺本堂改修並びに客殿建設建設決算総会

                   檀信徒配布資料より一部抜粋

~全会一致のご承認ありがとうございました~

 

御礼にかえて

 

謹啓

瑞色含春の候 檀信徒の皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

この度は、本堂改修並びに客殿建設事業におきまして、多大なるご負担をおかけ致しましたこと、心よりお詫び申し上げますとともに、深いご理解と多大なるご協力を賜り、衷心より厚く御礼申し上げます。

 

思い起こせば、平成27年4月に東日本大震災により墓地移設復旧事業が竣工を迎えようとしていた頃と同時に、震災の爪痕を残した本堂の補強工事という課題を見据えつつ、未来のお寺のあるべき姿を考えました。

 

『小さい頃、よくお寺で遊んだなぁ』

『住職さんのおじいさんが育てていたミツバチの蜂蜜が甘くて、何度もお寺に足を運んだり、おばあちゃんが美味しいもの食べさせてくれたんですよ』

『寺子屋だったから、よく本堂で勉強したり、本を借りるのが楽しみだった』

『お寺まで歩いて行く途中で、山学校して遊んで帰ったものだ』

 

“ご法事の会食、お通夜、お葬儀、お寺の本来のあり方は、それだけではないはず”

“お経は、亡くなられた人を弔うものであると同時に、本来は、悲しみや苦しみを抱える皆さまの心に安らぎやこれからどのようにすれば心豊かに歩んでいかるのかをお釈迦様がお示しになられた、いわば、心の教科書だ“

“これまで培われてきた大切なものを護りつつ、その形を今の時代に合わせて変え、数十年先も廃れないものを残し、さらなる未来へ繋げよう“

 

お釈迦様が仏教をお開きになられ、約2500年という悠久の時を超え、現在に至ります。私たちもまた、移り変わりゆく時の流れの中で、古いものをたずね求めて、新しい事柄を知り、今を生きています。そして、私たちが併せる両の手には、今日の感謝と未来への願いが込められています。

 

さて、本堂は、檀信徒の皆さまが、皆さまのご先祖さまが大切にその信心を手向けてこられました築125年余りの本堂の建築意匠を継承しながら、本来のお寺の成り立ちを彷彿とさせる「祈りの情景」を伝統的技法である立体的な組み木細工の建具によって当寺から見える秋保の山並みの景色を本堂内に取り入れる形でデザインをしました。

 

本堂西側の位牌堂と東側の客殿(檀信徒会館)は、翼を広げた鳳凰のように本堂の両側に広がり、その仕上げはまるで後光のように本堂を包み込みます。

 

外壁の菱形は、室内の建具、参道にも継承し、当寺のモチーフと致しました。菱型文様は、水面に浮いた植物のヒシの葉の形に由来しているとも言われます。ヒシは栄養価も高く不老不死を得た仙人の食べ物として、また心臓の形や田んぼを表す四角形を引き伸ばす事で長寿を表現したとも言われ、「根源的な幸福」を祈念する紋様として古来より仏教とも結びつきが強く、悩みや苦しみ、悲しみを持たれた皆さまが、お寺にお越しになられ、少しでも心に安らぎを覚え、明日への一歩を踏み出す希望を見出して頂きたいとの願いを込めました。

 

このように、去る令和1年12月8日開催の総会におきまして、建築概要のご説明を申し上げましたとおり、新客殿は、会葬ホールという新たな機能を複合し、保壽寺檀信徒会館として、これまで行えなかった法事会食や室内での葬儀等の受付を実現し、檀信徒の皆さまの信仰生活により近い存在となり、さらには、まだまだ新型感染症の影響はあるものの、少しずつ会議や各種催し物をはじめ、檀信徒の皆さまばかりでなく、著名な全国紙に当寺が取り上げられて以来、各種メディアの取材が今も続き、特に祝日には、たくさんの人々で賑わうようになりました。

 

今後、さらに多くの方々に聞法の機会の場として、地域社会に寄与すると同時に、現在の社会情勢による急激な物価の高騰により、維持管理の上で、総代役員様と鋭意検討する中で、今後、不本意ながら一時的な維持費の値上げなどご協力をお願いせざろう得ない状況も想定されますが、前述のとおり、檀信徒の皆さま以外に客殿を広く利用頂くことで、皆さまの費用負担を軽減、さらには還元出来るような仕組みを構築することで、これまで支えてこられた皆さまの篤信によるご功績、この建設事業に絶大なるご支援を頂きましたことへの恩に報いるべく、精進致して参る所存でございます。

 

最後になりますが、お寺は、大切な「いのち」が息づく場所であり、「想い」をつなぎ、心の花を咲かせる場所です。紡がれた糸が、ひとすじの光となり、訪れる皆さまを温かく包み込む、心の拠りどころとして、次の100年を目指し、檀信徒の皆さまおひとりおひとりが、この保壽寺が、「開かれた『祈り』の場」として、「保壽寺の檀家でよかった」と心から思って頂けるよう、皆さまから日々ご教示頂いております「心の温かさ」を胸の深いところに刻み、決して忘れることなく、住職としてひとりの人間として、歩んでいきたいと存じ上げます。

 

ありがとうございました。

合 掌

 

                               令和5年4月23日

保 壽 寺  住 職  伊 藤 孝 裕

 

常日頃から公私にわたり、お世話になっております多数のご寺院ご住職さま、多大なるご支援、ご祝儀等、ありがとうございました。衷心より厚く御礼申し上げます。落慶式までには、まだまだ長い道のりとなりますが、その折には、ご随喜ご加担の程、何卒よろしくお願い申し上げます。



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