SPECTACULAR:夜のしじま
森閑と更けわたる夜のしじま。瞳に映る世界は、白い月と眩いばかりの星空だけ。
ひと昔まえ、手にした本の一節に『天を星が動いてゆく音が、耳の奥に聞こえてきそうなくらいに』(吉本ばなな/キッチン)と、何とも美しい表現だと感銘を受けた記憶を憶い出す。
ひとむかし前、サハラ砂漠をラクダに乗って旅したことがある。広大な大地の真ん中で、一夜を過ごして感じたこと。
『秋保の星空の方が綺麗だ』 笑
そして今、この年齢になって感じることのひとつを、十数年の付き合いになる僕が敬愛するご夫妻が都内より久しぶりにお寺を訪れて、そっと優しく、そして、何とも言えない言葉で語りかけてくれた。
『人が欲しいものすべてが、ここにあるよ』
先日、庭園に手を加えました。客殿(カフェラウンジ:CAFE-TERA カフェテラ)を東西に包み込む涅槃の庭と発心の庭、この2つの枯山水庭園の川波に光を灯しました。
温暖な気候のもと、特に祝日の陽の光が優しく照らし込む白日には賑わいを見せるようになった新しく生まれ変わった当寺ではございますが、夜もまた、深山渓谷の静寂を決して壊さない美しい演出を施し、胸の深いところに生涯にわたり必ず刻まれるであろう世界を創りました。
カフェテラも出来る限り、皆さまのご要望にお応えすべく、昼夜を問わず開放申し上げますので、是非足をお運び下さい。特に夜の時間帯にお越し頂きたい方は、事前にご一報ご予約頂けますと幸いに存じ上げます。コース料理、ソフトドリンク、アルコール各種ご用意致してございます。
また、僕が切り取った保壽寺の日常、とても気まぐれではございますが、インスタグラムに時折、POST致しておりますので、覗いてあげて頂ければ幸いに存じ上げます。